国際財務報告基準(IFRS)アップデート

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の設立、気候変動開示基準委員会(CDSB)及び価値報告財団(VRF)の統合、開示要求事項のプロトタイプの公表について発表されました(2021年11月03日)

2011年11月3日、グラスゴーで開催されている気候変動の重大かつ緊急の問題に取り組むための国連グローバルサミット「COP26」において、IFRS財団評議員会から3つの重要な発表が行われました。

  1. 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の設立
  2. 投資家に焦点を置く主要なサステナビリティ開示団体による新審議会への統合へのコミットメント
    • 2022年6月までに気候変動開示基準委員会(CDSB-CDPの取組み)及び価値報告財団(VRF)の統合を完了予定
  3. 技術的準備ワーキング・グループ(TRWG)によって開発された気候及び全般的な開示要求事項のプロトタイプの公表

https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/press_release/y2021/2021-1103.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2021/11/ifrs-foundation-announces-issb-consolidation-with-cdsb-vrf-publication-of-prototypes/(英文)

2021年6月30日を超えるcovid-19に関連する賃料減免(IFRS第16号の修正)について(2021年11月02日)

国際会計基準審議会(IASB)が、IFRS第16号「リース」における実務上の便法の適用期間を1年延長し、2022年6月30日以前に期限が到来するリース料のみを減額する賃料減免を対象する旨発表されました。この修正は2021年4月1日以後開始する事業年度に適用されます。

借手がcovid-19に関連した賃料減免(家賃の免除や一時的な賃料減額など)を会計処理することを容易にしつつ、リースに関する有用な情報を投資者に引き続き提供するためのもので、当初の修正は2020年5月に公表されていました。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20211102dgi.html

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立するための定款変更について

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立するための定款変更について、2021年11月に開催予定の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)前にISSBの設立の最終決定がなされ、公表される予定です。

IFRS財団評議員会は2021年4月30日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設立するための定款変更の公開草案を公表しました(コメント期限は2021年7月29日)。

  • 提案1 IFRSサステナビリティ基準を設定する新審議会を創設するために、IFRS財団の任務を拡張する
  • 提案2 IFRS財団のガバナンス構造の下にIFRSサステナビリティ基準を設定するための国際サステナビリティ基準審議会を創設する
  • 提案3 IFRS財団のガバナンスの結果的修正

提案2に関して、新審議会の名称は国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)とし、新審議会の基準は「IFRSサステナビリティ基準」と呼称されます。新審議会を創設した場合、IFRS財団は2つの独立した基準設定機関を監督します。

  • 国際会計基準審議会(IASB)
    IASBの基準は、投資者及び世界の資本市場の他の参加者が、企業の財務業績及び財政状態を理解し、他の企業と比較して対照する際に活用できる
  • 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)
    ISSBの基準は、投資者及び世界の資本市場の他の参加者が、企業のサステナビリティのパフォーマンスを理解し、他の企業と比較して対照すること、及び企業のパフォーマンスが企業の価値創造とどのように関連するかを判断する際に活用できる

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20211029jie.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2021/11/ifrs-foundation-to-provide-updates-on-proposed-issb-at-cop26/(英文)

公開草案「IFRS基準における開示要求-試験的アプローチ」について

2021年3月25日に公表された公開草案「IFRS基準における開示要求-試験的アプローチ」について、コメント期限が2021年10月21日から2022年1月12日に延長されています。

IASBは、将来においてIFRS基準における開示要求を開発し文案を作成する際の自らのためのガイダンス案と、本ガイダンス案を適用したIFRS第13号「公正価値測定」及びIAS第19号「従業員給付」の開示セクションの修正案を開発、公表しています。

このガイダンス案を適用する場合、IASBは企業に以下の対応を求めることになるとされています。

  • 財務諸表利用者の全体的なニーズを記述している全体的な開示目的に準拠すること
  • 財務諸表利用者の詳細な情報ニーズを記述している具体的な開示目的に準拠すること
  • 各々の具体的な開示目的を満たすための情報項目を識別すること

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20211011ddh.html

「第3次アジェンダ協議」について(2021年08月30日)

IASBが、2021年3月30日に公表した2022年から2026年までの今後5年間の優先事項を何にすべきかについて意見を求めるための協議文書(情報要請「第3次アジェンダ協議」)について、コメントを募集しています。コメント期限は2021年9月27日です。

IASBは活動及び作業計画についての公開協議(アジェンダ協議)を5年ごとに実施しており、以下について意見を集めています。

(a) 審議会の活動の戦略的方向性及びバランス
(b) 作業計画に追加される可能性のある財務報告上の論点の優先順位を評価するための判断規準
(c) 審議会の作業計画において優先順位を与えることが考えられる新たな財務報告上の論点

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20210830fea.html
https://www.asb.or.jp/jp/ifrs/press_release/y2021/2021-0330.html(2021年3月30日プレスリリース)

国際サステナビリティ報告基準審議会の技術上の準備に着手するためのワーキング・グループ公表(2021年3月22日)

企業価値に焦点を置く国際的なサステナビリティ報告基準におけるコンバージェンスを加速し、IFRS財団の統治下の国際サステナビリティ報告基準審議会の技術上の準備に着手するため、ワーキング・グループの形成が公表されました。

ワーキング・グループの最初の会議は2021年4月に開催されます。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20210426jad.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2021/03/trustees-announce-working-group/(英文)

IFRS第17号及びIFRS第9号を初めて適用する保険企業の経過措置に対する軽微な修正が提案されています

IFRS第17号「保険契約」における経過措置に対する狭い範囲の修正が提案されています(コメント期限は2021年9月27日)。
多くの保険会社が、2023年1月1日以後に開始する事業年度に、IFRS第17号とIFRS第9号の適用を開始しますが、

  1. IFRS第17号およびIFRS第9号の移行に関する要求事項が異なる日に対して適用され、
  2. その結果として、IFRS第17号とIFRS第9号の適用開始時に表示する比較情報において以下の様な一時的な分類の相違が生じる
    • IFRS第9号を適用して金融資産について修正再表示した比較情報を表示しようとした場合、IFRS第9号は、適用開始日前に認識を中止された金融資産に適用されないため、比較情報にはIFRS第9号を適用して分類された金融資産とIAS第39号「金融商品:認識及び測定」を適用して分類された金融資産が混ざることになる
    • 経過措置が異なるため、IFRS第17号とIFRS第9号の適用開始時に表示される比較情報で保険契約負債と金融資産の会計上のミスマッチが生じる可能性がある

ことを受け、「IFRS第9号の分類及び測定が当該金融資産に適用されていたかのように、金融資産に関する比較情報を表示することが認められる」という提案をしています。

この修正は、IFRS第17号とIFRS第9号を同時に適用開始する企業にのみ適用が認められるもので、IFRS第17号における他の要求事項には影響を及ぼさないとのことです。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20211115efi.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2021/07/iasb-proposes-minor-amendment-ifrs-17-and-ifrs-9/(英文)

IFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第11号「共同支配の取決め」及びIFRS第12号「他の企業への関与の開示」の適用後レビューについて

2020年12月9日、IFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第11号「共同支配の取決め」及びIFRS第12号「他の企業への関与の開示」の適用後レビューに関する情報要請が公表されました(コメント期限2021年5月10日)。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20210326dce.html
https://www.ifrs.org/projects/work-plan/pir-of-ifrs-10-12-relating-to-consolidated-financial-statements/(英文)

ディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」の公表について

2020年11月30日、ディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」が公表されました(コメント期限2021年9月1日)。

IFRS第3号「企業結合」から除外されている共通支配下の企業結合(全ての結合企業又は結合事業が、結合前後で同じ当事者に最終的に支配される場合の結合)について、具体的に適用可能なIFRS基準がないため、実務で多様性が生じているとの利害関係者のフィードバックに対応して、共通支配下の企業結合に関するリサーチ・プロジェクトが実施されていました。

このディスカッション・ペーパーでは、リサーチ結果の要約とともに、IASBの予備的見解が示されています。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20210326daj.html

「2021年6月30日を超えるcovid-19に関連する賃料減免」(IFRS第16号の修正案)公表

2021年2月11日、covid-19(新型コロナウイルス感染症)に関連した賃料減免の借手の会計処理を手助けするため、2020年に公表した修正IFRS第16号「リース」の適用期間を1年延期する提案が公表されました。

2022年6月30日以前に期限の到来するリース料のみを減額する賃料減免を対象とするために救済の延長が提案されています。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20210212fjb.html

国際的なサステナビリティ基準に対する幅広い要望に応える「次のステップ」

2021年2月1日の会議において、サステナビリティ報告に関するコンサルテーション・ペーパーで提起された質問に対する回答が検討され、新審議会を設立するか否かを検討する前に、成功のための要件とその他の充足すべき条件に関するフィードバックのさらに詳細な分析を行うことが同意されました。

次回の会議は2021年3月2日から4日に開催されます。要望が高まっていることを考慮すると、2021年9月末までに評議員会が最終的な提案が作成され、2021年11月の国連気候変動会議COP26において、サステナビリティ基準審議会の設置が発表される可能性があります。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20210204adf.html

「セール・アンド・リースバック取引におけるリース負債」(IFRS第16号の修正案)公表(2021年02月01日)

「セール・アンド・リースバック取引におけるリース負債」(IFRS第16号の修正案)のアップデートが公表されました。

2020年11月27日にセール・アンド・リースバック取引におけるリース負債の測定方法を定めることで、IFRS第16号「リース」の修正が提案されましたが(コメント期限2021年3月29日)、解釈指針委員会の議論により、IFRS第16号におけるセール・アンド・リースバック取引に係る具体的な事後測定の要求事項がないことが明らかとなりました。そこで、IFRS第16号を修正し、セール・アンド・リースバック取引に係る事後測定の要求事項を追加することを提案されています。

なお、今回公開された草案の提案は、IFRS第16号のセール・アンド・リースバック取引に係る要求事項を改善するものであり、IFRS第16号の当該取引に係る原則も、当該取引と関連しないリースに係る会計処理も変更するものではないとアナウンスされています。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2021/20210201cbe.html

サステナビリティ報告への国際的アプローチ及び財団の役割についての意見が募集されています(2020年9月30日)

2020年9月30日に、サステナビリティ報告に関するコンサルテーション・ペーパーが公表されました。このコンサルテーション・ペーパーは、国際的なサステナビリティ基準への要望を評価し、強い要望がある場合、IFRS財団が当該基準開発に貢献できるのか否か、及びどの程度の貢献ができるのかを評価するためのものです(コメント期限:2020年12月31日)。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20201002cfi.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2020/09/ifrs-foundation-trustees-consult-on-global-approach-to-sustainability-reporting/

covid-19に関連した賃料減免の会計処理についてIFRS第16号「リース」の修正が公表されています(2020年5月28日)

2020年5月28日、借手がcovid-19(新型コロナウィルス疾患)に関連した家賃免除や一時的な家賃減額などの賃料減免の会計処理を容易にするためにIFRS第16号「リース」の修正がIASBから公表されています。

この修正の目的は、covid-19に関連した賃料減免にIFRS第16号を適用する際、リースに関する有用な情報を投資家に引き続き提供することを可能にしながら、借手に実務上の救済を与えることで、貸手には影響を与えないとのことです。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200603jec.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2020/05/iasb-issues-amendment-to-ifrs-standard-on-leases/(英文)

IFRS基準(IFRS第3号、IAS第16号、IAS第37号)の修正が公表されています(2020年5月14日)

2020年5月14日、IFRS第3号「企業結合」、IAS第16号「有形固定資産」、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の狭い範囲の修正が公表されました。この修正はすべて2022年1月1日に発効します。

詳細:https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200602dfb.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2020/05/iasb-issues-package-of-narrow-scope-amendments-to-ifrs-standards/(英文)

ディスカッション・ペーパー「企業結合-開示、のれん及び減損」が公表されました(2020年3月19日)

ディスカッション・ペーパー「企業結合-開示、のれん及び減損」が公表されました。このディスカッション・ペーパーは、事業の取得に関して、当該取得がどのくらい成功したのかを投資家が評価するのに役立つように、企業が報告する情報の可能性のある改善に関するものです(コメント期限:2020年12月31日 ※covid-19の影響により、コメント期限が2020年9月15日から延長されています)。

  1. 取得に関する開示の改善
  2. のれんの会計処理の改善
  3. 無形資産

詳細:https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200513eac.html
https://www.ifrs.org/projects/work-plan/goodwill-and-impairment/dp-goodwill-and-impairment/(英文)

covid-19によるIAS第1号の修正の発効日の延期が提案されています(2020年05月4日)

公開草案「負債の流動又は非流動への分類-発効日の延期(IAS第1号の修正案)」が公表され、発効日を1年延期して2023年1月1日以後開始する事業年度から適用することが提案されています(コメント期限:2020年6月3日)。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200512dgs.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2020/05/classification-of-liabilities-deferral-exposure-draft/(英文)

公開草案「金利指標改革-フェーズ2(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正案)」が公表されました(2020年4月9日)

金利指標改革が財務諸表に与える影響に関して企業が投資家に有用な情報を提供するのに役立てるため、公開草案「金利指標改革-フェーズ2(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正案)」が公表されました(コメント期限:2020年5月25日)。

主な修正案等:https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200507cdh.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2020/04/exposure-draft-ibor-2/(英文)

公開草案「Covid-19に関連した賃料減免-IFRS第16号の修正案」が公表されました(2020年4月24日)

公開草案「Covid-19に関連した賃料減免-IFRS第16号の修正案」が公表され、借手がcovid-19(新型コロナウィルス疾患)に関連した家賃免除や一時的な家賃減額などの賃料減免を会計処理することを容易にするためにIFRS第16号「リース」の修正が提案されています(コメント期限:2020年5月8日)。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200501jvi.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2020/04/amendment-to-leases-standard-to-help-companies-with-covid-19-related-rent-concessions/(英文)

中小企業向けIFRS基準の更新アプローチについてコメントを募集しています(2020年1月28日)

IASBが、2020年1月28日に「中小企業向けIFRS基準」の更新アプローチについての情報要請を公表しました。

この情報要請では、「中小企業向けIFRS」を更新するアプローチに関する戦略的及び全体的な質問(パートA)、どのように「中小企業向けIFRS」をIFRS第9号「金融商品」、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」、IFRS第16号「リース」等、新しい基準に揃えるかに関する質問(パートB)などについてコメントが求められています(コメント期限:2020年10月27日 ※covid-19の影響により期限が2020年7月27日から延長されました)。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200220efa.html
https://www.ifrs.org/projects/work-plan/2019-comprehensive-review-of-the-ifrs-for-smes-standard/request-for-information/(英文)

「負債の流動・非流動の分類」(IAS第1号の修正)が公表されました(2020年1月23日)

負債の流動・非流動の分類を明確化するために、「負債の流動・非流動の分類」を公表し、IAS第1号「財務諸表の表示」の狭い範囲の修正が公表されました。

この修正は、財政状態計算書において、決済日が不確定な負債の流動・非流動の分類についての企業の判断の助けとなり、要件の適用の一貫性を促進することを目的としています。本修正は、企業が資本への転換により決済する可能性がある負債の分類要件の明確化も含んでいます。

主な修正点等:https://jicpa.or.jp/specialized_field/ifrs/information/2020/20200131fei.html
https://www.ifrs.org/news-and-events/news/2020/01/iasb-clarifies-requirements-for-classifying-debt-as-current-or-non-current/(英文)

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